ジョージ・R・R・マーティン『剣嵐の大地 2』
- 作者: ジョージ・R.R.マーティン,George R.R. Martin,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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デーナリス・ストームボーン一世一代の大博打で締めくくられた第1巻のテンションそのままに突入した『剣嵐の大地』第2巻では,序盤からもうトップギアで駆け抜ける巡るめく怒濤の展開.ここにきてマーティンの無慈悲なまでに容赦ないストーリーには恐れ入る.登場人物全ての命の重さを極めて平等に描いており,それは(少なくとも一次視点で描かれてもおかしくない)主役級のキャラクタまで次々と物語の舞台から降ろされたり,あるいは舞台から蹴り落とされようとする後一歩の留まっていたりと,目を疑うぐらい運命に翻弄され続けている.唯一第3部にきて絶好調すぎる展開を見せるデーナリス女王が,2巻では1章分しか登場しないとは少し寂しい.彼女の玉座奪還へのさらなる躍進はまだなのか.
これほどハイテンションなのに,これでまだ三分冊の中編なんだぜ.最終第3巻はどうなるんだよ一体.